膝の内側の痛み(鵞足炎)
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膝の内側を押すと痛い
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膝の内側の腫れや熱感
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歩いたり、しゃがんだりすると痛い
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階段の上り下りが痛い
鵞足炎とは|小谷整骨院・鍼灸院
“鵞足(がそく)”と呼ばれる膝内側の筋肉の付着部が、使い過ぎにより、靭帯や腱が骨に摩擦され傷つき、炎症を起こすことを鵞足炎といいます。
【鵞足とは】
鵞足は、縫工筋、薄筋、半膜様筋の3つを合わせて鵞足筋となります。
鵞足筋は、それぞれ骨盤から始まり、スネ(脛骨)の内側に集まって付着します。その付着部が、”ガチョウの足の水かき”に似ていることから鵞足と呼ばれています。
【鵞足付着部の解剖】
鵞足は膝関節から約6㎝下に付着しています。表層は縫工筋腱、深層は薄筋および半腱様腱によって形成されています。
脛骨付着部は血管・神経、感覚線維も多く存在しているため、感覚や痛みを感じやすい構造となっています。
【鵞足の機能】
主な機能は、膝を曲げる、下腿の内旋、ですが、縫工筋は内側側副靭帯と繋がり、薄筋や半腱様筋も膝関節内側を覆っているので、鵞足は膝関節内側の安定化に重要な作用を持っています。
変形性膝関節症では下腿が外旋しやすいため、鵞足の下腿内旋の機能が重要となります。
原因|小谷整骨院・鍼灸院
原因は、主に膝の使いすぎ(オーバーユース)によるものです。
・膝の使い過ぎによる、鵞足部での摩擦
・過度なスポーツや運動
・合わない靴、安定しない足元での歩行
・変形性膝関節症による膝への負担
*変形性膝関節症で鵞足炎が生じやすい理由
変形性膝関節症では、膝関節内反(O脚)になるため、下肢のアライメントが崩れてしまいます。
O脚になると、膝関節を構成する、大腿骨と脛骨が外旋位の状態になります。
鵞足筋は下腿内旋の作用をもつため、このアライメントになると、下腿の外旋を抑制するために、鵞足筋に過度なストレスがかかります。
アライメントが崩れた状態で生活をすることにより、鵞足部への伸張、摩擦ストレスが過剰になります。その結果、鵞足炎を発症します。
また、変形性膝関節症では膝関節軽度屈曲位(伸展制限)が多く見られます。膝関節が軽度屈曲位になると、歩行の蹴り出しを行う下腿三頭筋(ふくらはぎ)が上手く働かないため、鵞足筋が代償して行うため鵞足部の負担が増えてしまい、発症リスクが上ります。
症状|小谷整骨院・鍼灸院
鵞足炎の主な症状は痛みです。
膝の内側から、すねにかけて痛みを感じます。人によっては激痛を伴うこともあります。
・鵞足部を押すと痛い
・鵞足部の腫れや熱感
・歩く、しゃがむと痛い
・階段の上り下りが痛い
・運動後の痛み(特に膝の曲げ伸ばしが痛い)
・(炎症が強い場合)安静にしていても痛む
施術|小谷整骨院・鍼灸院
鵞足炎は、主に膝の使い過ぎなどにより起こるので、鵞足構成筋を中心に緊張した筋肉(縫工筋、薄筋、半腱様筋、大腿四頭筋、下腿三頭筋)をマッサージやストレッチで緩めて行きます。炎症が強い場合は、鍼治療やコンビネーション治療により炎症を抑える治療を行います。電気治療や温熱療法で痛みの感覚を下げる治療も行います。
また、膝に負担がかかりやすい状態になっていないか、身体バランスのチェックも行います。
鵞足部を形成する3つの筋肉は骨盤の安定や膝内側の安定に関与している筋肉なので、炎症を起こすと痛みで、身体バランスが崩れて、更に膝に負担がかかりやすい状態になっている場合が非常に多いです。身体に歪みがある場合は、骨盤調整を行い身体のバランスを整える治療を合わせて行います。