仕事や運動による繰り返しの動作で回外筋が過緊張を起こして、炎症や後骨間神経を圧迫することで神経障害を起こします。

　前腕の筋肉を支配する後骨間神経(橈骨神経の枝)は手を外側に捻る筋肉の回外筋を貫通しています。

　そのため、仕事や運動による繰り返しの動作で回外筋が過緊張を起こして、炎症や神経の通り道である回外筋の狭いトンネル部(フローセの腱弓部)で後骨間神経を圧迫することで神経障害を起こします。

　その他にも、前腕の骨折(モンテギア骨折)やガングリオン・脂肪腫などでも起こることもあります。

◎回外筋症候群になりやすい人

・工具を使う

・ハンドルをよく回す

・ドラムなどの楽器の演奏

・テニス、バドミントンなどのスポーツ

・腕を捻ったり、肘を伸ばすと痛みがでる。

・肘の外側がズキズキ痛む。

・神経麻痺(運動障害)：

＊前腕を外に捻れなくなる。(肘を曲げた状態では上腕二頭筋が強く働くため出来る)

＊肘を伸ばしにくい。

＊指が伸ばせなくなる特徴的な”下垂指”となる。

※感覚の異常はない。

　肘を捻る動作など原因となる動作を中止して、出来るだけ安静にします。

　また症状の原因である神経の通るスペースを圧迫している筋肉(回外筋、短橈側手根伸筋)を中心に鍼治療、電気療法、温熱療法、マッサージ等で負担を軽減させ筋肉の柔軟性を戻していきます。

　上記症状などにより不良姿勢や骨盤の歪みが起こり、背骨のアライメント(並び)が崩れてしまう場合は、肩甲骨の位置異常にもつながります。

　肩甲骨の位置に異常が出ると肩や腕の動作にも影響がでてしまいます。特にテニスなどの肩や腕を捻ったりする動作の多いスポーツでは、背骨や骨盤の矯正で脊柱のアライメントを整え崩れた姿勢や運動フォームを修正し、患部の負担を減らし症状を根本から抑えていきます。

※保存療法で症状が悪化する場合やガングリオン・脂肪腫などで物理的な圧迫がある場合は手術の適応になる場合があります。