肘から下にかけてのしびれや痛み(肘部管症候群「尺骨神経麻痺」)
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手のひら側がしびれる!
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手に力が入りにくい!
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箸が持ちにくい!
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小指・薬指が麻痺している!
肘部管症候群とは|小谷整骨院・鍼灸院
肘の内側を通る尺骨神経が様々な原因により圧迫され、小指・薬指がしびれたり、手の筋肉が痩せたり、手が使いにくくなる疾患です。
【肘部管の構造】
上腕骨内側上顆(肘の内側の骨の出っ張り)と肘頭(肘の骨)の間の溝を尺骨神経溝といいます。 いわゆる、肘をぶつけるとジーンとする所です。
その尺骨神経溝の上を、オズボーンズ靭帯(尺側手根屈筋上腕頭と尺骨頭の間に張る腱膜)と滑車上肘靭帯(上腕骨内側上顆と肘頭の間に張る靭帯)が覆い、肘部管と呼ばれるトンネルを形成してその中を尺骨神経が走行しています。
【尺骨神経が圧迫されやすい部分】
・肘部管
・上腕三頭筋内側頭
・尺側手根屈筋、浅指屈筋、深指屈筋
原因|小谷整骨院・鍼灸院
仕事やスポーツなどによる肘の使い過ぎや骨の変形、ケガの後遺症などにより、肘部管内を通る尺骨神経に圧迫・牽引力(引っ張る)・摩擦力や絞扼(しめつける)される事で神経障害や神経麻痺を引き起こします。
【尺骨神経を圧迫する要因】
・変形性肘関節症;老化によりトンネルを形成している骨が隆起してトゲのようになります。
・靱帯の肥厚;靭帯が厚く硬くなります。
・ガングリオンなどの腫瘤による圧迫
・(遅発性)外反肘;子供の頃にヒジ周りの脱臼や骨折などによる肘の変形など。
【肘部管症候群になりやすい人】
・野球やテニスや柔道など肘に負担がかかるスポーツを行う
・力仕事など手や肘を酷使する仕事をする
・長時間のスマホやゲームなどの操作(肘関節を曲げた状態で)
・事故などによる肘のケガ
・関節リウマチ
・男性(に多い)
症状|小谷整骨院・鍼灸院
手の小さな筋肉の大部分(20個ある内の15個)は尺骨神経が支配しているため様々な症状がみられます。
・小指・薬指の手のひら側のしびれ・痛み
・親指・人指し指を開いたり閉じたりする筋肉の一部が痩せる
・握力低下
・箸を持つなど手の細かい動作が困難になる。
・小指・薬指の麻痺による変形(かぎ爪変形)
治療|小谷整骨院・鍼灸院
尺骨神経の通るスペースを圧迫し、絞扼の原因となる筋肉(尺側手根屈筋、上腕三頭筋内側頭、浅指屈筋、深指屈筋)を中心にマッサージ、電気療法、温熱療法、鍼治療で負担を軽減させ筋肉の柔軟性を戻していきます。
また不良姿勢や骨盤の歪みにより、背骨のアライメント(並び)が崩れる事で、肩甲骨の位置異常にもつながります。肩甲骨の位置に異常が出ると、肩、腕と連鎖して運動に悪影響がでてしまいます。
尺骨神経は頚椎から出る腕神経叢という神経の束の一部なので背骨のアライメントの歪みの影響を受けやすいです。そのため、骨盤調整で背骨のアライメントを整えて姿勢を改善することで根本的に患部への負担を減らします。
※保存療法で症状が悪化する場合やガングリオンなどの腫瘤が原因のものや外反肘など物理的な圧迫がある場合は手術の適応になる場合があります。