首から肩腕にかけての痛み「後縦靭帯骨化症(OPLL)」
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首から肩にかけて痛い!
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首から腕がしびれる!
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手に力が入りにくい!
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肩から手にかけて凝り固まっている!
後縦靭帯骨化症(OPLL)とは|小谷整骨院・鍼灸院
【椎体を補強する靭帯】
椎体の前面には前縦靭帯、後面には後縦靭帯が頚椎から腰椎まで薄いテープの様に幅広く走行しています。
特に後縦靭帯は、椎間板が真後ろへ突出して脊髄を圧迫しないように抑える役割もあります。
【後縦靭帯骨化症とは!?】
後縦靭帯骨化症は、椎体の後ろ側を走行する後縦靭帯が肥厚して骨に変わる病気です。
その変性した骨化部が、神経を圧迫することにより、しびれや運動障害などの症状が出てきます。また脊椎の動きに関わる靭帯が骨に変わるので柔軟性がなくなり脊柱の動きが悪くなります。
この疾患は、頚椎に多いですが、胸椎や腰椎にも同様に起こります。
原因|小谷整骨院・鍼灸院
難病指定されている病気で、多くの説がありますが、はっきりとした原因は不明です。
発症を誘発する要因は多く、遺伝的要因、ホルモンの異常、炎症、慢性外傷、カルシウム・ビタミンDの代謝異常、糖尿病、肥満傾向、椎間板脱出、老化(全身的退行変性)などがあり、明確な原因はわかっていませんが、様々な要因が関与して発症すると考えられています。
◎病気が発症する傾向としては:
・50代前後(中年以後)で男性
・糖尿病の既往がある
・肥満傾向にある
・デスクワークなど頸椎を前屈している時間が長い
症状|小谷整骨院・鍼灸院
◎後縦靭帯骨化症は骨化する部位によって、
・頸椎後縦靭帯骨化症
・胸椎後縦靭帯骨化症
・腰椎後縦靭帯骨化症
に分類されます。
[頸椎後縦靭帯骨化症(最多)]
・初期症状
頸部や肩甲骨周囲の筋肉のコリや痛み
頚椎の関節可動域の低下など
・中度症状
上肢にシビレや感覚異常がおこり、症状が進行してくると痛みやシビレの範囲が広がり、足のシビレや感覚障害がおこります。
また、運動障害、手指の細かい動作ができなくなります。(巧緻障害)
・重度症状
歩行困難や排便、排尿障害などが起こります。
[胸椎後縦靭帯骨化症]
体幹や下半身に症状がでます。
初期には、胸椎の関節可動域の低下、下肢のシビレや脱力化がおこり、症状が進むと歩行困難や排便排尿障害がおこります。
[腰椎後縦靭帯骨化症]
腰椎の関節可動域の低下、歩行時の下肢のシビレや脱力感がおこるので、椎間板ヘルニアや腰椎分離症などとの鑑別診断が必要です。
※すべての患者に症状の悪化が見られるわけではなく、数年の経過後も症状が変わらない人も半数ほどいます。
治療|小谷整骨院・鍼灸院
保存的治療としては、骨化により圧迫されている神経の保護が主目的となります。
状態に応じて、頸椎の安静、安定を保つため、頸椎カラー固定をします。
骨化により周りの筋肉が緊張し、症状が出ている原因の筋肉に対して、ストレッチやマッサージ、温熱療法や電気治療、鍼治療により筋肉の柔軟性の確保や患部周囲の循環をよくして痛みを軽減させます。
鍼治療は、局所の痛みや痺れに対してアプローチを行い、症状を緩和させる目的もあります。
※薬や神経ブロックで痛みが治まらない症状でも、鍼治療で治まることがあります。
また、長時間同じ姿勢をとる事で不良姿勢となり、頚部に負担がかかってしまうことがあります。
不良姿勢改善ために、骨盤矯正で背骨のアライメント(並び)を整えることで、首や肩周りの負担を減らし症状を抑えていきます。
◎生活指導としては、
首を後ろにそらす姿勢を避け、転倒などによる症状の悪化に気をつけることを説明します。
※ 保存療法で症状が改善されない場合や重症化して歩行困難や排便排尿障害がおこった場合は手術適応になる場合があります。