肩の後方には四辺形間隙(クワドリラテラルスペースまたはＱＬＳ）という、小円筋、大円筋、上腕三頭筋長頭、上腕骨で構成されるスペースがあります。

　腕の使いすぎや姿勢不良などにより筋肉が過緊張を起こし、そのスペースを通過する腋窩神経が締め付けられて、肩外側のしびれ・痛み(感覚障害)、腕が挙げにくい、上がらない（運動麻痺）等の症状が現れます。

　主にスポーツ動作など(投球動作、バレーボールのアタック、テニスのサーブなど)で腕を内・外に捻るような動作を繰り返す事で、クワドリラテラルスペースを構成する筋肉が過緊張を起こしてしまい、その中を通過する腋窩神経、後上腕回旋動脈が上腕骨と肩甲骨周辺の筋肉(小円筋・大円筋・上腕三頭筋長頭)に挟まれ、肩側面の痛みやシビレ、三角筋の萎縮や麻痺、血行障害が起こります。

　また、デスクワークなどで前かがみの姿勢(ねこ背)や横向きで寝る時など、不良姿勢が長時間続く事で、クワドリラテラルスペースが狭くなり、同様に腋窩神経が圧迫されて発症することもあります。

・肩の外側の痛み、しびれ、感覚が鈍い

・腕の付け根、脇の下部分を押すと痛み（圧痛）

・肩の筋肉(三角筋)の萎縮、麻痺

・腕が挙げにくい、挙がらない。

・血行障害

　症状の原因である、神経の通るスペースを圧迫している絞扼の原因となる筋肉(小円筋・大円筋・上腕三頭筋)を中心に電気温熱療法、鍼灸施術、マッサージ等で負担を軽減させ筋肉の柔軟性を戻していきます。

　また、不良姿勢や骨盤の歪みにより、背骨のアライメント(並び)が崩れてしまい、肩甲骨の位置に異常が出て、肩関節の動作に影響がでてしまいます。

　そのため、骨盤矯正で背骨のアライメントを整えることで姿勢を改善し、患部の負担を減らし症状を抑えていきます。