上腕二頭筋という、腕の筋肉(力コブを作る筋肉)が、荷物を持ち上げる動作やスポーツなどで腕を繰り返し使う事で、長頭腱部が通過する骨の溝との摩擦で炎症を起こしてしまう状態です。

　上腕二頭筋は、腕を上げたり肘を曲げたりするときに使う、腕の筋肉です。上腕二頭筋は名前の通り、長頭と短頭の二つに分かれます。そのうちの長頭の腱が結節間溝(骨の溝)というトンネル状の溝を通っています。

　そのため、腕を上げようとしたり荷物を持ち上げる動作やスポーツなどで上腕二頭筋を繰り返し使う事で、長頭腱に摩擦の刺激が加わり、炎症を起こします。

[上腕二頭筋長頭腱炎を発症しやすい人]

スポーツ選手

・野球 (投球動作)

・テニス (サーブ時)

・バレー (アタック時)

・水泳

＊腕をよく使うスポーツに起こりやすいです。

　他にも、重い荷物を繰り返し持ち上げる運送業や繰り返し腕を使う清掃業などの重労働者(特に30〜50代の男性)にも多いです。

・肩前面を押さえると痛い(結節間溝部)

・肘を曲げたり、腕を挙げると痛い

・肩を捻ると痛い

・夜に痛くて寝れない（夜間痛）

・肘を曲げ、手のひらを返すような動作が痛い

上腕ニ頭筋長頭腱炎の原因は使いすぎにより炎症が発生しているので、急性期は安静を心掛けてもらうようにします。

　上腕二頭筋を中心とした肩周りの筋肉(大胸筋、烏口腕筋、肩甲下筋、広背筋、大円筋)をマッサージや手技にて緩めていき患部にかかるストレスを減らします。温熱療法や電気治療、鍼灸治療を行い、炎症や痛みの感覚を抑えて行きます。

　また、不良姿勢や骨盤の歪みにより、背骨のアライメント(並び)が崩れてしまう事は、肩甲骨の位置異常にもつながります。

　肩甲骨の位置に異常が出ることにより肩関節の動作にも影響がでてしまいます。

　そのため、骨盤調整で背骨のアライメントを整えることで、姿勢を改善し患部の負担を減らし症状を根本的に治していきます。