超音波観察装置(エコー)
- ケガをしたところがどうなっているのか見たい。
- 靭帯が伸びてないか確認したい。
- 関節の状態はどうなっているかな?
- 痛みのあるところの中はどうなているのかな?
エコーの活用例|小谷整骨院・鍼灸院
当院では超音波観察装置(エコー)で、筋肉や靭帯、軟骨などの状態を客観的に観察できます。
痛めたところの状態や状況を画像で確認できます。
当院での症例をご覧ください。⇩⇩⇩⇩⇩⇩⇩⇩⇩⇩⇩⇩⇩
〖症例〗
対象:15歳男性(中学生)、空手道部所属
負傷個所:左前腕遠位部
発生機序:空手の稽古中、突きをした時に手首が掌屈強制され、前腕部を痛めた。
症状:前腕遠位部の圧痛、運動痛、軽度腫脹、介達痛
観察|小谷整骨院・鍼灸院
初検時、患部の外観変形、自発痛といった骨折所見が乏しく、また、軽度の疼痛は出現するものの掌背屈の自動運動は可能であり自覚症状も乏しかった。所見を進めていく中で限局性圧痛、介達痛など骨折の疑いが完全に否定するに至らなかった為、エコー走査を試みた。
エコー画像(下①)は橈骨遠位部の連続性が断たれていることがわかる。
画像①より遠位骨片の掌側転位が確認されたが、背側からのエコー画像(下②)では骨の非連続性が確認できなかった。このことから視診による外観変形の乏しさの原因が考えられた。
以上の所見よりSmith骨折掌側転位と判断、徒手整復を行った(下画像③ 右;整復前 左;整復後)。
初検時より2日後に整形外科を受診し、橈骨遠位端部の骨折が確認され(下画像④)
U字シーネ(手掌から前腕)にて固定を行った(下画像⑤)。
受傷後34日経過|小谷整骨院・鍼灸院
エコー画像より骨折線が消失、骨癒合と判断した(下画像⑥掌側)。外観所見としては、手関節の関節可動域(背屈)に左右差もみられず、また機能障害も残らず日常生活動作に支障をきたすことなく回復された。
*手関節背屈可動域約80度
*参考までにGurltの骨癒合では、前腕骨(橈骨)は5週間である。
考察|小谷整骨院・鍼灸院
本傷病のように、明らかな外観変形や患者の自覚症状が乏しいケースは、捻挫等の損傷と判断してしまう可能性がある。特に転位の少ない骨折や、疼痛に対して耐性の高い患者であれば、判断が難しくなってくる。
手関節周辺の負傷は、「手首を捻った」「手をついた」といった定型的な訴えが多く、問診と徒手検査だけでは判断できないケースが数多くある。発生機序からある程度骨折を疑うことはできるかもしれないが、確実に骨折所見があると判断した上で整形外科に紹介するのと、曖昧な判断のもとで整形外科に紹介するのでは、今後の臨床経験の差や観察力の向上に大きな違いが出てくると考える。
以上より、今回のケースのようにエコー走査は傷病を確定する為に有用な手段だと考えられた。